私の生体水

私どもは化粧品の分野から裾野を広げ、生体に有用な商品開発にこだわっていますが、生体水について意見を交わすときに必ずつまづきます。「下痢」や「もたれ」といった現象で説明すると言葉としてはわかりますがた正しい理解はできていないようです。

例えば、自分が食べたもので自分の体がつくられることは分かっているのですが、どのタイミングで?どういう場所で?いつごろに?ということを考えて生活してるわけではありません。そんなことを考えなくても臓器が正常に機能していれば血液や生体水が適材適所に栄養を運んでくれてます。色物野菜を食べたからといって私たちの体の色が赤や緑に変わることもありません。今日食べたトマトが赤色だから私の明日の体は赤っぽいなんて考えている方はいらっしゃらないはずです。

それでも「成人の水分は約70%」という言葉だけは知っていたりします。

私どもも実験や研究を通じて体全体を覆っている生体水が「どうやら大切な意味をもっている」ということを理解しているのですが、いざ説明しようとすると難しく考えこんでいました。もっと視野を広げる必要があります。

500系新幹線の先頭形状はカワセミのくちばしからヒントを得たそうです。痛くない注射針の先頭形状は蚊の針と動きからヒントを得たそうです。いつも清潔なカタツムリの殻からヒントを得て汚れの落ちやすいセラミックや建材が作られているそうです。こうした生物の形態や構造・働きからヒントを得て作られた分野をバイオミミクリと言いますが、もうすこし視野を広げ、生物が存在している自然界という視座で書かれた「古代倭人からの教え」という本の中に「金魚と唾液と生体水」という章があります。

「なぜ金魚鉢のお水を全部換えてはいけないのか?」

金魚にとって水槽の水は生活環境そのものです。時間をかけて適度なバクテリアが繁殖した状態がベストですが人間の目には濁って見えるために水の交換をしたくなります。しかし「水をきれいにしたのに金魚が死んだ」という体験がある方は少なくありません。この場合、金魚にとって水槽の水は生体水と同じような意味を持っていると言えます。全ての水を換えてしまうと、その環境に慣れるために小さな体は活動し続け、慣れない体にとってはストレスです。そういう意味で、生体水は「自分のものにできるか?」が大切なポイントのようです。


「唾液と生体水」については本を読んでみてください。赤ちゃんはどうして涎を垂らしてしまうのか?自然の摂理を観察して書かれた興味深いおすすめの本です。

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